記事担当:共立プロダクツ
ハンダ付け必要-マイコン系

今回は「★LEDフラッシャーを改造してみよう」の続きとなります。引き続きよろしくお願いいたします。

前回は勢いにまかせて配線作業までを一気に進めていきましたが、ここで7セグメントLEDについて簡単におさらいしたいと思います。

7セグメントLED
一般的な7セグメントLEDは、数字をつくるための7本の直線と、小数点などの表現に使える小さな点が右下についているものが多いです。ほとんどのメーカーでは、a~gという名前がついています。小数点はここではDPという名前で呼びます。
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今回使う1桁タイプの部品では、中に8個のLEDが入っています。

LEDは単体のものだと2本足なので、全部を分離させると2×8=ピン16本となるはずですが、ピン数を少なくするために8個のLEDの片側同士がつながっています。 アノード(A)側がつながっている物をアノードコモン、カソード(K)側がつながっている物をカソードコモンといいます。(内部の配線が違うと回路の組み方が変わるので、選ぶ際は表記をよくご確認ください)

今回使う7セグはアノードコモンです。データシートで具体的なピン配列を確認するとこんな感じ。ピンは全10本で、各LEDのカソードが8本と、まとまったアノードは分岐して2箇所から出ています。
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数字の形に光らせるには?
a~gの7つあるセグメントのオンにする場所とオフにする場所を変えてやると、0~9の数字の形をつくることができます。

例えば

・「0」は、aとbとcとdとeとf のセグメントをオン
・「1」は、bとc のセグメントをオン
・「2」は、aとbとdとeとg のセグメントをオン

という具合です。

絵に描いて、各数字のオンにするセグメントをあらかじめ調べておきます。
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任意のLEDのオンオフを指定することは、16LEDフラッシャーに内蔵されたパターンだけではできません。 そこで、「★説明書」のモード一覧の最後に書かれている「シリアル数値入力」という特殊なモードを使います。
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このモードは、別売の「★USB-シリアル変換ケーブル」を使ってPCなどからLEDのオンオフ情報を命令として送ることで、指定した場所のLEDを点灯することができるものです。
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「★説明書」には詳しい手順がいろいろと書いてありますが…
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要するにこういうことです。
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ちょっと乱暴ですが、PCなどの外部機器からLEDをどのように点灯させるかを直接指定できるということです。あくまでもイメージとしては。

ちなみに、フラッシャー基板が理解できる命令は決まった形になっているので、それを守ってくださいね~ということが説明書に書かれています。
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前回「LEDを全部外したフラッシャー基板」と「7セグ」をハンダ付けする時に、どこにどのLEDをつなぐかは自分で決めていいという説明をしましたが、今回は 下図のような順番になるように配線しました。
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この配列に合わせて、PCから送る点灯データを用意してあげればOKです。

遂に完成!
社内にあった端材やアクリル板などを集めて、7セグ表示板とLEDフラッシャー基板を前後に重ねて垂直に立てた「簡易ディスプレイ台」を組んでみました。
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裏面には電源用のUSBケーブルと、シリアル通信のケーブルが出ています。
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それぞれ、モバイルバッテリーとPCに接続します。
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とりあえず、ちゃんと動くか確認するために「00」から1秒ごとに数字を増やしていくプログラムを用意してみました。

PC上で実行開始すると…


無事動いているようです。よかった!

配線とプログラムは無事うまくいったのですが、最初に作った台座が軽すぎて倒れてしまったので、何事もなかったように作り直したのは内緒です。

これだけだとただのストップウォッチですが、数字を出しているのはPC側のソフトウェアなので、プログラミング次第でいろいろな用途に使える数字表示器に仕上げることができると思います。


今回のまとめ
「★16LEDフラッシャーキット」基板の応用モードであるシリアル通信で任意のLEDの点灯制御を行う実験を行いました。既存のキットの改造で(と言うには余りにも大変な気もしますが)、7セグメントLEDの制御も出来ますよ!というご紹介でした。

もちろんここまで大がかりなことをしなくても、基板外に引き出したLEDをランダム点滅やナイ○ライダー風の内蔵点灯パターンで光らせることで、色々なオリジナル照明の製作に使えると思います。

キット自体もそれなりに“組みごたえ”があるので、ハンダ付けを練習したい方、無心でハンダ付けに励みたい方にもオススメいたします。

皆さまも素敵なLチカライフをお楽しみください!


おまけ
16LEDフラッシャー基板のモード設定を「シリアル数値入力」以外にすると、もちろんLEDは元の基板と同じ挙動で光ります。

適当にランダムに光るモードを選んで、消えるときの残像効果も少し付けてやると…


…なんかSF映画とかに出てくる、よくわからない研究所とかコックピットの計器類にありそうな演出に見えてくるのは私だけでしょうか。

いや、どちらかというと90年代バラエティ番組っぽいチープさがあるような気がしないでもない。うーむ。まあいいか。


(記事:ONE)
更新予定:毎週木曜日(次回は6月20日です!)