記事担当:共立プロダクツ
ハンダ付け不要-マイコン系


ラズパイピコと同じRP2040を搭載したお手頃マイコンボード「★XIAO RP2040」を使った電子工作記事の続きです。

今回は完結編
ということで、設計したものをユニバーサル基板で組み立てるところまで進めていきたいと思います。

仮組みした回路とプログラムの動作テストが終わったら、
XIAO RP2040のボード上の記憶領域に作成したプログラムを保存し、
電源を入れるだけで単体動作できるようにしよう・・・というのが前回の話。

RP2040で動くMicroPythonは、内部に持っているファイルシステムにファイルを置くことができます。
そこにmain.pyという名前のプログラムを転送することで、起動時に実行されるようになっています
今回使っているThonnyエディタは、MicroPythonデバイスへのファイル転送機能もついていますので
それを使ってプログラムをXIAO RP2040に保存します。

では早速★Thonny [https://thonny.org/]での作業を再開しましょう。
まだプログラムが動いている場合は、一度XIAOとの通信を止めてから
View>Filesと選択して、ファイルマネージャーを表示させます。
Filesを選択してファイルマネージャーを出します

ウィンドウの左にファイルマネージャーが表示されました。
上(This computer)がPCのローカルファイルのリスト、
下(Raspberry Pi Pico)がXIAO RP2040に格納されたファイルのリストです(最初は何もありません)。
上のリストから「main.py」を選んで右クリック>「Upload to /」を選択すると、XIAO RP2040に転送されます。
PCからXIAOに、main.pyを転送します

アップロードの進行状況を表すウィンドウが開き、完了すると消えます。
ウィンドウが消えて、下のファイルリストに「main.py」が表示されたら成功です。
30アップロードは数秒で終わります

これで、XIAO RP2040は実行時にプログラム本体を送り込まなくても
転送したmain.pyを起動時に実行してくれるようになります。
(PCではなく適当なUSB電源から給電して、マルチカラーLEDが点灯するか一度確認しておくと良いと思います)


それでは、ユニバーサル基板を使って仕上げの組み立てを進めます。

今回の回路を乗せる基板は小さいので、弊社で販売中の変わった基板を使ってみます。
それがこちら。シリコンハウス営業所のガチャガチャで販売中の「カプセル型ユニバーサル基板」です。
店舗正面入口外のガチャガチャで好評発売中!

ただ丸いだけの基板ですが、もちろんガチャガチャなのでカプセルに入った状態で出てきます。
この基板はカプセルの内寸にほぼフィットし、基板を中空に浮かせた状態にできるため
カプセル自体を簡易なケースとして利用できるのが特徴です。
(カプセルは完全な球形ではないため多少内部のガタツキや遊びがあります)

XIAOを基板に取り付けるためのヘッダーソケットを用意します。
残念ながら7ピンぴったりの物は取扱いがありませんので、★「8ピン」の物をカットして7ピンを作ることにします。
ヘッダーソケットの加工

全ての部品を乗せ終わった状態の基板のオモテ面はこちら。
マイコンやLEDの発熱が測定温度に影響を与えないように、基板の端にセンサーを置きました。
部品面のレイアウト

裏面の配線途中の状態。
まずは★「すずメッキ線」で、基板のマス目を使ってできる限りの配線を行います。
(電子部品から切り落とした余分なリード線を集めておくと同じように使えて便利です)
すずメッキ線での配線の様子

続いて配線しきれなかった箇所を絶縁された配線材でつないでいきます。
今回使ったのは★「ジュンフロン線(ETFE電線)」という樹脂製の被覆がついた単芯の配線材です。
太さがそれなりにあるため配線が密集する所には適しませんが、一番太い0.51mmの物はかなり頑丈で曲がりにくいので
耐久性のある作品に仕上がります(記事担当お勧めです!)。
被覆付きの電線で残りをつなぎます

今回は★「DCジャック」を付けた配線を、元々開いているカプセルの小さな穴に通し、XIAOの5Vピンから給電するようにしました。
カプセルに元々開いている穴を「電源配線の通し穴」や「温度センサーの通気孔」として使います。
カプセルの穴をそのまま使います
他にも、カプセルにもう少し大きな穴を開け直してUSBケーブルを通してTypeCコネクタから給電する方法も良いですね。

あとは基板の位置に注意しながらカプセルの蓋を閉めて、完成!!
(カプセルは片側が着色パーツなので、マルチカラーLEDの場所が悪いと色がわからなくなります…)
完成!

これを室温を測るのに適した場所(直射日光や空調の風があたらない所)に吊るしたり転がしたりしておくだけで、
大まかな暑さ寒さがわかって便利です。
作業環境の室温管理、冷え過ぎや熱中症対策にもつながるのではないでしょうか。

以上、ちょっとした電子工作の紹介でございました。
ホビー用途であれば、製品化されないような面白い道具やガジェットも自作できるのが楽しいですね。
実用目的なら既製品を買った方が早いし確実ではありますが、
自身で実際に考えて設計することは、ものづくりの大事な体験になると思います。

自分も作ってみようという方は、こちらから今回の作例のプログラムソースを入手できます。
内容は無保証となりますが、参考資料としてお役立てください。


皆さまもぜひ、便利で新しいマイコンボードで電子工作にチャレンジしてくださいね♪♪


●補足1:マルチカラーLEDについて
実は「XIAO RP2040」には基板上にマルチカラーLEDが搭載されています(しかも2種類あります)。
そちらを使えば表示用のLEDは本来不要となるのですが、
小さい基板上についているLEDのため遠くから見ようとするとなかなか見づらいと思います。
今回はそのような事情で、程よい大きさと明るさの砲弾型LEDを外付けで使うことにしました。

●補足2:MicroPythonについて
MicroPythonは、Pythonという言語の「実装」のひとつです。
PCやサーバーより性能面で非力な組み込み向けのマイコンを対象としている分、動かせるアプリケーションの規模などは多少制限を受けますが
言語としての特徴は一部を除いて揃っているので、PCで動作する普通のPythonの解説書がほぼそのまま使えると思います。
ハードウェア制御の部分(入出力ピン、アナログ、PWM、I2C等々…)などの、MicroPythonおよびRP2040固有の情報については
大変わかりやすい日本語のドキュメントがあります。今回の作例でも大いに活用させていただきました。



(記事:ONE)
更新予定:毎週木曜日(次回は6月2日です!)