記事担当:
ハンダ不要-非マイコン系

クリスマス目前でございます。
今年は暦の関係で今回が2021年最後のブログ更新となります。
普段でしたら1年の締めくくりとして今年を振り返るような記事を書いても良かったのですが、まだクリスマスも終わっていないのに1年を締めるのも早い気がいたしましたので、普通に工作記事をお届けいたします。

さて、★先々週の記事LEDの光らせ方を記事にいたしましたところ、思いの外好評でございました。
オームの法則についてよく解らなかったが使い方がわかったので助かった、というような感想もいただきました。

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さてそんな中で、LEDを光らせる時に『定電流ダイオード』と言う単語がよく出てくるようで、その『定電流ダイオード』の使い方について解説してほしいという要望をいただきました。

と言う訳で本日は、なんだか分からないけど超便利らしい『定電流ダイオード』について簡単に解説してみたいと思います。

CRD01
はい、↑が『定電流ダイオード』でございます。
具体的には★「E-153」と言う商品でして、その名の通り決まった電流(今回の「E-153」であれば15mA)を出すことができる部品でございます。
もちろん出力する電流によって沢山の種類があるのは抵抗と同じでございます。

この『定電流ダイオード』につきましては、『決まった電流を流す』と言う部分に理解が及ばず、結局正体がわからないので敬遠する、というのが普通の反応なのではないかと思います。
なので今回も技術的な説明はいたしません。
使い方に絞って解説をいたします。
語弊のある言い方になりますが、ここでは『入力電圧に関係なく一定の電流を流すことができる部品』と憶えていただければと。

では早速使い方を見ていきましょう。
『定電流ダイオード』の使い方につきましては、シリコンハウス店頭で配布している資料がわかり易く簡単でございます。

CRD02

回路的には抵抗の代わりに配置するだけ。
たったこれだけでございます。

あら簡単。
『定電流ダイオード』さえ有れば抵抗いらず、つまり面倒な抵抗値の計算がいらないのでございます。
超便利!

でも本当にそんなうまい話があるの?とお思いでしょう。
もちろん裏はございます。

ただ、その裏は大した裏ではなく、ちょっとした注意点さえ守れば良い程度のものでございます。
ひとまず注意点の話は置いといて、実際にLEDを点灯させてみましょう。

今回は★12VのACアダプタを用意いたしました。
前回同様ブレッドボードで組み立てると↓になります。

CRD03

そのまんま、抵抗の代わりに『定電流ダイオード』が刺さっているだけでございます。
ここにACアダプタをつなげると
CRD05
この通り。
ちゃんと点灯いたします。
3Vで点灯するLEDに対して12V突っ込んでいますが、なんの問題もございません。
ちなみにACアダプタを9Vや24Vに変更しても回路を変更する必要はございません。

改めて思いましたがホントに簡単ですね。
面倒な計算もなしにつなぐだけ。楽ちんポンがシャッキリポンでございます。

先程は青色LED(3V)を点灯させましたが、続いて赤色(2V)も点灯させてみましょう。
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面倒なので青色はつなげたまま。
電源に対して並列に青色LEDと赤色LEDを配置して、それぞれに同じ『定電流ダイオード(E-153)』をつなげております。

ここに電源を接続すると
CRD07
なんの問題もなく点灯いたします。

いやはや、ただ繋ぐだけなんて、こんなに楽をしてしまって良いのかしらと罪悪感を抱くほど。
こうなってくると『定電流ダイオード』の裏というのがいよいよ気になってきてしまいますね。

ではその裏、と言うか注意点を発表いたしましょう。
 1.電圧に気をつける
 2.極性に気をつける
の2点でございます。

どこかで見た注意点ですね。
はいそのとおり、LEDの注意点と同じでございます。
『定電流ダイオード』もダイオードの仲間ですので、注意点も同じようなものになるのでございます。

さてその注意点。
まず『電圧』についてですが、『定電流ダイオード』の電圧はLEDで注意した電圧とは違います。
LEDの場合はLEDにかかる電圧を一定以上にしてはならない、と言う注意でした。
しかし『定電流ダイオード』で注意する電圧というのは、決められた範囲内で電圧をかけなければならない、と言う注意でございます。

この『決められた範囲』を下回る電圧ではスペック通りの電流が出なくなり上回る電圧では『定電流ダイオード』が壊れてしまいます

↑のシリコンハウスで配布している資料では『DC10~24V』と書かれています。
LEDは概ね2~3V程度で点灯するのに10V以上電圧をかけないといけないってどういうこと?ってなりますよね。
じつはこの『定電流ダイオード』、自分も電気を使うことで一定の電流を出すことができるようになるんです。

メーカーの資料によると、『E-153』は4.6Vの電圧をかけるとだいたい80%以上の能力を発揮すると書かれております。
注目する部分は『肩特性 Vk』の部分でございます。
また、『最高使用電圧』は25Vと書かれておりますので、『E-153』を機能させようと思うと4.6~25Vの範囲で電圧を掛ける必要があるわけでございます。

しかしシリコンハウス配布の資料では『10~24V』と書かれています。
なぜか。
まず電圧の下限である10Vについて見てみましょう。

先程見ました『肩特性 Vk』の値は『定電流ダイオード』が使用する電圧でございます。
で、LEDを光らせようと思うとこの『Vk』に加えてLEDの電圧も必要になります。
青色や白色を光らせるなら3V程度、赤緑黄色を光らせるなら2V程度必要になります。
例えば青色LEDを1個光らせるとすれば、

 4.6+3=7.6V

必要になるわけです。
ただ、『定電流ダイオード』にかける電圧は4.6Vで80%以上と書かれておりますので、実際にはこれより大きい電圧をかけないと『定電流ダイオード』は十分に機能しない訳でございます。
なので、電源の電圧は大きめを見て10Vとしている次第でございます。

実際に使用する際はACアダプタが使いやすいので、9Vとか12Vとかの電源使用をオススメいたします。

で、電源電圧の上限が『24V』と書かれているのは、『最高使用電圧』25Vに最も近いACアダプタの電圧が24V品だから、と言う程度の理由でございます。

次に極性について
これはもう、LEDと同じで電気が流れる方向がある、というだけでございます。
他のダイオードと同じように、本体に線が入っている方がマイナス側になります。
CRD04
シリコンハウス配布の資料にも書かれている通り、本体に線の入っている方がLEDの長い方の足につながる、と覚えていただければ十分でございます。

と、まぁ、『定電流ダイオード』を使用する上での裏というのはこの程度でございます。
まとめると
 1.抵抗を使用する時よりも高い電圧が必要になる
 2.抵抗と違って取付方向がある
と言ったところです。
電圧に関しては電池で駆動させようとすると電圧不足になる場合が多いので、モバイル仕様などコンセントから電源供給ができない環境での仕様は難しくなります。
取付方向については「ついうっかり」が発生した時、結構凹むことになります。

あと、最大の問題点は
 3.抵抗よりも圧倒的に高価である
という点。
抵抗に比べれば10倍以上の値段になりますので、数を使用するとその分コストが上がります
逆に言えば多少の出費を気にしないのであれば圧倒的な利便性を享受できます。
偉い人も『時間と労力は金で買える』と申しておりましたが、まさにその言葉を体現する部品という訳でございます。


みなさんもぜひ商品名に臆せず利便性を享受してくださいね!




と言う訳で。
今回も少し蛇足を。

前回は抵抗を使わずにLEDを光らせる荒業(笑)を紹介いたしましたが、勿論『定電流ダイオード』でも複数のLEDを光らせることはできます。

CRD08
↑では4色のLEDを直列につないで光らせています
この場合の注意点としては、
 1.使用するLEDの電圧と定電流ダイオードの電圧はすべて足し算になる
と言うところ。

今回の場合、青・赤・白・緑を点灯させていますので、LEDだけで10V使用しています
しかし電源の電圧は12Vなので、定電流ダイオードにかかる電圧は4.6Vよりももっと低くなります。
そうなると定電流ダイオードから出てくる電流も小さくなりますので、LEDは全体的に暗くなってしまうんですね。

まぁ今のLEDは性能がいいので、多少電圧が低くとも、多少電流が小さくともそれなりに光ってくれます。
なのであまり気にしなくても良いかもしれませんが、十分な電圧が確保できない状況であれば、わざわざ高価な定電流ダイオードを使用する意味もないよなぁ、って思う訳でございます。

なので定電流ダイオードは状況に応じてご使用ください

(記事:伊東)
更新予定:毎週木曜日(次回は1月6日です!)