記事担当:共立プロダクツ
ハンダ付け不要-マイコン系


今回は素材の紹介から...

sigfox-logoBRKWS01-1

Sigfox(シグフォックス)Breakout board (BRKWS01 RC3)
https://eleshop.jp/shop/g/gJAN311

小さな基板と、アンテナがセットになっています。おもちゃのトランシーバーみたいなアンテナですね。
しかも乾電池2本だけで、数キロメートル以上も離れた基地局と通信するんだとか。
スマートフォンと同じで、基地局1ヶ所に対して多数の端末がつながる形です。
つまりトランシーバみたいに2台が相互に通信するのではなく、1台だけで使います。

図1
出典: 京セラコミュニケーションシステム説明資料 - 総務省


使われているのはLPWA(Low Power=省電力、Wide Area=広域エリア)という名前の通り、低消費電力で広い領域(キロメートル単位)を対象にできる無線通信技術だそうです。

じゃあ、スマートフォンと何が違うのでしょうか?
まず信号を送るスピードが遅いらしく、いわゆる4Gの「20万分の1」位とか!
これでは動画どころか、「もしもし」と一言、声だけ送るのにもいったい何分かかるんですか?といったレベルです。

それにもまして、1回で送れるデータ量が「12バイト」とか... 12ギガじゃないですよ、その「1億分の1」ですよ。
これでは「もしもし」の「も」の声だけでも無理っぽいです。

おまけに1日あたり140回までという制限もあって...

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でもがっかりしないで下さい。世の中、欲張らなければこれで充分って事もたくさんあるんです。

例えば...

 玄関先のポストに何か届いてる?
 部屋の電気がつけっぱなしになってない?
 暑かったり寒かったりで家のペットは大丈夫?(うちのペットは、まだ「アレクサ!」としゃべれません)

実用化されている例では、
 畑を荒らすイノシシが、仕掛けた罠に入ったかな?
 出荷間近の果物ビニールハウスに夜中、不審者が近づいていない?

などなど、離れた所で今何が起こっているか、少しだけでも知りたいなら、この程度のデータ量でもまかなえそうです。
そう、田舎の母さんが湯沸かしポットを押すとメールが届いて安心、っていうのと同じ感じです。

送れるデータ量や回数は、とても充分とは言えませんが、できる限り多くの機器を安価につなぐ為の割り切りなんでしょうね。
さすがフランス生まれのSigfoxだけあって、エスプリを感じさせますね。

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もちろん同じような事は、安いスマートフォン使えばできそうなんですが、月々の携帯料金も気になりますし、
なにより電池2本で1年間くらいは充電しなくても働いてくれるっていうのが有り難いですね。
特に家から離れた場所だと、コンセントがないことも多いですし。



実は、当社でも実際に稼働しているモジュールがありました!

新しもの好きなスタッフが、ちゃんと電波が届くかの実験しただけで終わったのですが、年間ライセンスの残りがもったいないので会社のトイレ個室が空いているか判る装置にしたそうです。
いわゆるIoT(インターネット・オブ・トイレ)ってやつです。

写真2

上の方にSigfoxモジュールとアンテナ、その下のICはモジュールにデータを送り込むPICマイコン、それに単3電池2本です。
白い線の先につながっている灰色の部品はリードスイッチで、ドアの端につけた磁石(灰色)に反応します。
(写真はドアが閉まっている状態です)
マイコンのプログラミングが必要ですので詳細は省きますが、ドアが閉まったり、開いたりしたタイミングで電波を送信します
ドアの動きがない時はほとんどパワーを消費せず、1日数十回のトイレ使用でも 1年位は電池交換不要だとか。
電池の電圧も送信データに乗せているので、交換時期がわかるらしいです。

写真3

ちょうどビルのトイレには、外を望める大きな窓がありましたので、基地局との通信も問題ありませんでした。

さて、トイレの空き状況はスタッフ各人のパソコンから確認できるようになっています

図2図3

(ここまで仕立てるにはWebサーバ等、それなりの設備が必要になります)


なお、簡単にモジュールの機能を試したいだけであれば、基地局が電波を受けると「メールが来る」という設定もできます
(Sigfox運用会社が用意したポータルサイトで行います)

少なくともメールが使えれば、独自にWebサーバを立てなくても、外部サービス(IFTTT[イフト]など)との連携も難しくありません。
たとえば誰かが個室に入ると、離れた場所のLED電球が赤く光ったりとか、いろんな応用が考えられます

なお、今回は予算と時間の都合で実際には試せませんでした。すみません。

以上、思ったより気軽に使える電波モジュールのご紹介でした。


最後にちょっと、ご注意の補足です。
・モジュールの代金には1年分のライセンスが含まれていますが、2年目から継続してサービスを使うためには年間約1,000円(2021年12月現在)の追加料金がかかります。
・サービスエリア内であっても、場所(特に建物内)によっては充分な強さの電波が届かないため使用できないことがあります。
・今回紹介したモジュールは、本体だけではデータを送信できないタイプで、実際には外部に接続したマイコン等からの操作が必要です。
・日本国内ではSigfoxネットワーク運用を 京セラコミュニケーションシステム株式会社 が行っています。
 Sigfoxについての詳しい解説や使用事例、技術情報は https://www.kccs.co.jp/sigfox/ にてご覧いただけます。


担当:池