記事担当:共立プロダクツ
ハンダ付け不要-マイコン系


お客様からたびたびお聞きするご要望として、
・手動で操作した後、一定の時間だけ回路の電源をオンにしたい
・電源を入れた時だけオンにして、一定の時間でオフにしたい
・自動でオンとオフを繰り返す動作をさせたい
などがあります。

こういったケースで使うのは「タイマー回路」と呼ばれる回路で、
電子工作の分野ではそこそこ出番の多いものではないかと思います。
共立プロダクツでも、用途を絞らずに一般の用途で使えそうなタイマー基板をご用意しております。
従来からあるタイマー基板は以下の2種類。
どちらもお求めやすい価格の比較的シンプルなものとなっています。

定番IC「555」を搭載しています
オンオフ時間を別々に設定できるミドル級製品

希望する動作の内容に応じて、用途に合いそうであればご提案させていただくのですが…

やりたいことがある程度複雑になったり、オンオフを操作する接点がたくさんあると
これらの製品だけでは対応できない場合もあります。

そこで、とにかく高機能で一通りのことをこなせる、第3のタイマー基板製品を開発しました。
それがこちら。

基板完成品です。
青い基板がチャームポイント?

2まわり程大きくなった基板に、密集して実装された電子部品の数々。
手に取るとずっしりと重量感があります。
ほぼ隙間なく部品がのってます

見た目にもわかりやすい特徴は、4個も並んで載っている<リレー>。
これは電気信号で回路の接点を切り替えるはたらきをする、重要なパーツです。
エレショップblogではオカポンさんが完全制覇を目指して挑戦中のWonderKit製品でも、
センサーなどの実用系キットでたびたび登場する電子部品ですね。


リレーが4個載っているので、4つの回路のオンオフを独立して切り替えられます。
ついでに信号を入力する接点端子も4系統あります。
入力や出力が沢山あるからといって必ずしも全部を同時に使うわけではありませんが、様々なアプリケーションに対応できると思います。

ところで、この製品の最大の特徴は「プログラマブル」つまり機能を後から変更可能なところ。
希望する動作をするように機能を自身で作成して、書き換えて使うことができるのです。

製品には、同時に4種類の機能を格納することができます。
初期状態では、よく使われる機能をあらかじめ内蔵しています。
設計者が厳選した4つのモード

「希望する動作が4つのどれにも当てはまらない!」という場合には
簡単な記述のプログラムを用意すれば、書き換えて使うことができます。

プログラムの設計、というと難しそうに思うかもしれませんが、基本的には
何種類かの入力や出力などのパーツをどうつないで組み合わせていくかを考えるだけ。
そこまで規模は大きくないので想像以上に慣れるのはカンタンです。

簡単なプログラムのサンプルとして、1時間タイマーを作ってみました。
ちなみに従来製品の「マルチタイマー」では、最長時間が約20分までなので、それよりも長い時間を作って動かしてみます。
↓↓出来上がったプログラムはこんな感じです↓↓
──────────────────────────────────────
STOP
BLOCK0        ;プログラムをモード0番の領域に書き込みます
;タイマー0番
  TX0,3600    ;タイマー0番のカウント値を3600にセット
  TM0,100     ;タイマー0番の倍率を100に設定(1秒で1カウント)
  TP0,PH0     ;タイマー0番の立ち上がりエッジ入力に、入力端子0番を接続
  RY0,TY0     ;リレー0番にタイマー0番の出力を接続
ENDB
──────────────────────────────────────
「;」より右側の文言はプログラムに入れた注釈なので無くてもOKです。
それを除くと、実質ほんの10単語少々しかありません。
これで、0番の入力端子をオンにした瞬間から、0番リレーが約1時間だけオンになり、時間切れでオフに戻るというシンプルな動作が実現できます。

でもこれだけでは少し寂しいですね…
タイマーの持続時間を長くしただけで肝心のリレーも1個しか使っていません。
せっかくなのでリレー出力を3個同時に使ってみることにします。

↓↓改造したプログラムはこんな感じです↓↓
──────────────────────────────────────
STOP
BLOCK0 ;プログラムをモード0番の領域に書き込みます
;タイマー0番
TX0,3600 ;タイマー0番のカウント値を3600にセット
TM0,100 ;タイマー0番の倍率を100に設定(1秒で1カウント)
TP0,PH0 ;タイマー0番の立ち上がりエッジ入力に、入力端子0番を接続
RY0,TY0 ;リレー0番にタイマー0番の出力を接続
;タイマー1番
TX1,7200 ;タイマー1番のカウント値を7200にセット
TM1,100 ;タイマー1番の倍率を100に設定(1秒で1カウント)
TP1,PH0 ;タイマー1番の立ち上がりエッジ入力に、入力端子0番を接続
RY1,TY1 ;リレー1番にタイマー1番の出力を接続
;タイマー2番
TX2,10800 ;タイマー2番のカウント値を10800にセット
TM2,100 ;タイマー2番の倍率を100に設定(1秒で1カウント)
TP2,PH0 ;タイマー2番の立ち上がりエッジ入力に、入力端子0番を接続
RY2,TY2 ;リレー2番にタイマー2番の出力を接続
ENDB
──────────────────────────────────────
細かい説明は割愛しますが、3系統のタイマーを使っています。
それぞれのタイマーに1時間、2時間、3時間を設定し、開始の信号は共通にします。
こうすることで、信号を入れると同時に3個のタイマーが動き出し
3つのリレーが1時間、2時間、3時間と時間差でオフになるという仕組みです。
改造というよりはコピペで記述を増やして、値を書き換えただけです。

では、いよいよ実際にプログラムを転送して書き込んでみましょう!

パソコンと★「microUSBケーブル 1m / ABM-10」で接続すると…
マイクロUSBのケーブルを用意

ネットにつながった状態のWindowsのパソコンの場合は、そのまますぐにドライバのインストールがはじまります。
しばらく待つと使用可能になります。
シリアルポートとして認識されました

ターミナルソフトを起動して、接続開始します。(お使いの環境によって画面は若干異なります)
操作画面はコチラ!


キーボードから直接プログラムの中身を打ち込んでもよいのですが、
ターミナルソフトについているファイル転送機能を使って一気に送ってしまいましょう。
プログラムの内容をテキストファイル形式で準備して、ドラッグ&ドロップ!!


「Update......OK」と出れば転送と記録完了です! (今回はモード0を上書き登録しました)
run(改行)と打ち込むか、基板のリセットボタンを押すと0番のモードの動作がはじまります。期待通りの動作か確認してみましょう。


今回つなぐ回路は手近にあったものを使って用意してみました。
使用するパーツはこんな感じです。
★「microUSBケーブル 1m / ABM-10」 (USBのACアダプターからタイマー基板に給電するのに使用)
・適当なプッシュスイッチ+適当な配線材
リレー出力につなぐ部材。今回はLED照明にしてみましたmicroUSBケーブルと入力信号用スイッチ

この★「ACアダプター用スイッチ取付けケーブル / KP-ACBL02」、切れている電線部分2本をリレーの接点端子に挟むだけで、リレーに連動する中継ケーブルとして使えるんです。
配線するときの手間をぐっと減らせるので便利ですよ!

配線を全部終えた状態がこちら。
(タイマー基板はスマホ用のUSB充電器で、LEDモジュールはACアダプタにつないでいます)
配線完了

それでは電源を入れて、0番の入力につないだスイッチを押すと!!
光った!!

リレーの0番、1番、2番を作動させるタイマーが一斉にスタートし、3個のリレーがオンに。
今回は1時間タイマーとして0番リレーにLED照明をつけました。
イイ感じに動いています。

そして約1時間後、0番のリレーがオフになり照明も消灯!
さらに2時間、3時間経過でそれぞれ1番と2番のリレーも予定通りタイマー時間切れでオフになりました。
大成功です。
1時間経過2時間経過3時間経過

一度このように作っておけば、照明の回路をつなぐ場所を変えるだけでスグに2時間や3時間に変更できます。

今回のサンプルはもっとも単純な構成なので、工夫すればもっと使いやすくなります。
基板上には今回使っていない、プログラムに組み入れて使えるデバイスが載っています。
・大ざっぱに数値をその場で変えてセットするための「半固定抵抗」
・2通りの値を切り替える「選択ジャンパー」
等など。
盛りだくさんです
記事ではすべてを説明することはできませんが、
これらを応用したプログラムをつくることで色々なケースの要求に対応できるかもしれない、アイデア次第で可能性が広がる製品です。

マニュアル類や、元の機能に戻すためのプログラム等の各種資料は
下記の商品ページから入手可能ですので、興味のある方はぜひご覧くださいませ!
▼共立プロダクツ プログラマブルタイマー基板 / KP-TMAR08 製品ページ
https://prod.kyohritsu.com/KP-TMAR08.html


担当:ONE