エレショップblog

半導体・センサー・マイコン・電子工作キットほか、各種電子部品の専門店「共立エレショップ」から主に電子工作の関連情報をお届けします。 http://eleshop.jp/

記事担当:共立プロダクツ
ハンダ付け必要-非マイコン系


昨年の春から自宅で小鳥(小型インコ)を飼っています。原産が南米の暖かいところということで、日本の冬を快適に過ごすにはヒーターなどの暖房器具を使う必要があるとのこと。
もちろん部屋のエアコンを一日中、効かせっぱなしにしておけばインコさんは暖かくてハッピーなのですが、電気代のことを考えると飼い主のフトコロが冷え切ってしまいます。


そこで登場するのがペット専用ヒーター、私が買ったのは電球みたいな形をした40ワットの赤外線タイプのものです。
写真1

これ、むかしお世話になった白熱電球にしか見えませんが、夜でも眩しくないように作られた専用の物だそうです。明るいところではよく分かりませんが、暗いところで見ると確かに少しオレンジ色に光っていて、いかにも暖かそうです。

これを専用の器具にセットして、鳥かごに引っ掛け、鳥かごカバーをかけて、中の空気ごと暖めてやります。

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写真3
(写真は鳥かごカバーを外したところ)

でもこのヒーターは今どきのLED電球と比較して寿命が短く、ある日突然切れてしまうとのこと。ガラス管に入っているので修理もできず、あきらめて新品と交換するしかないようです。

でも切れたままの状態で気付かずにいるとインコも飼い主も冷や汗ものですので、時々確認しなくてはなりません。でもうっかりして忘れそうで、なおさらカバーがかかっていると見間違いそうで、えらく心配になってしまいました。

それならヒーターを2つ入れておけば、片方が切れても最悪の事態は免れそうだと思いついたのですが、でも昨今の電気代値上げも気になるし(ペットの健康に対してお金をケチりたくはないのですが)、逆に暑くなりすぎて「焼き鳥にする気か」と噛みつかれるのも不本意ですし。

愛鳥家の皆さんがどうしてるか気になりますが、ここは電子部品屋として知恵を使ってみようということで...

そういえば、こんな部品がありました。カレントトランスです。
写真4

これ、電気の流れる量を測る部品です。写真は貫通型と呼ばれるタイプで、AC100Vの配線を穴に通すだけで電気の流れを検知できます。(詳しい説明はネットで検索お願いします)

これで電球がちゃんと灯っているか、切れてしまったかを簡単に調べられないかな?

とりあえず実験のために試作してみました。
写真5

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【重要】AC100ボルトのコンセント配線があります。電気工作の経験がないと難しい部分があり、また感電や発火など深刻な事故につながりますので、相応の資格を持った方以外は自作をご遠慮ください。

1.まず、ACプラグ付きコードの外側の皮をむきます。(20センチ位)
中に入っている白色と黒色の線に傷を付けないように、ちょっとずつカッターなどの工具で切れ目を入れながら取り外します。
もし線に傷が入って、中の銅線が見えてしまうと感電の危険がありますので、その部分から切断し最初からもう一度やりなおします。
写真6

2.カレントトランスに線(白・黒どちらでも片方のみ)を巻きます。
線を入れる向きも適当でかまいません。でも絶対に中の銅線がむきだしになっていない事を確認して下さい。
写真7

ちょっと狭いですが、できるだけ多く巻きます。このコードでは3回巻けました。
写真8

実は安く作るために100均ショップで売っている延長コード(200円)を使ってみたのですが、線が太く、穴に通すのがせいぜいで2回も巻けません。(15アンペア対応のため太く作られている)
これだとACソケットも最初から付いていて手軽にできるはずだったのですが、残念です。

ちなみに巻き数を多くできると電流を検知する能力がアップするので、うまく働く可能性も大きくなります。

3.ヒーターのコンセントを差し込めるように、線を加工してACソケットをつなぎます。
写真9写真10

4.カレントトランスから直接生えている2本の細い線(白・黒)とLEDランプをハンダ付けでつなぎます。

写真11
  ↓
写真12

2つのLEDの足は向かい合わせに「長+短」をペアにして、カレントトランスの細い線につなぎます。
LEDの足に注意して下さい、長い同士・短い同士の接続ではありません。(ここ大切)


とりあえず配線完了、コードをコンセントに差し込み、ACソケットに赤外線ヒーターの線を差し込みます。


LEDランプが赤く光りましたね、とりあえず成功です。

なお、カレントトランスの細い線(LEDランプへの配線)は手で触っても感電しません。でも何かに引っ掛けたりすると良くありませんので、絶縁テープ等でショートしないように処理の上、トランスや配線部分全体を半透明のタッパー容器などに入れると、見栄えもランプの光具合も良くなるんじゃないでしょうか。

寒いインコさんの心配をしなくて良いように、このような単純な物でもメーカさんがお手頃価格で商品化してくれるとうれしいですね。

今回はここまで、お付き合いありがとうございました。


最後にご注意いただきたいことを書いて終わりです。
・今回の実験では、特定の赤外線ランプの断線検知の為だけに、できるだけ部材が少なくなるよう回路を構成しています。
よって一般的に想定されるカレントトランスの使用法から逸脱している部分があるため、他の用途や商用には決して供しないで下さい
・本工作はAC100ボルトのコンセント配線を扱います。繰り返しになりますが、電気工作の経験がないと難しい部分があり、また感電や発火など深刻な事故につながりますので、相応の資格を持った方以外は本記事を参考にした自作をご遠慮ください。
なお当方では本記事を参考に製作された工作物により直接・間接的に生じた損害に対して一切責任を負いかねますので予めご了承ください。


(記事:池)
更新予定:毎週木曜日(次回は1月26日です!)

記事担当:
商品レビュー

成人式も終わり、えべっさんも終わるといよいよ正月も終わり。
あぁ、そろそろ通常運転に戻って仕事しないといけないんだなぁと斜め上をぼんやり見上げてしまいます。

と言う訳で本日は。
便利工具のレビューなんかをのんびりしていきたいと思います。

紹介する工具はこちら。

01_パッケージ


ユニーク工具でおなじみのエンジニアが昨年秋に発売した★精密圧着ペンチ「PA-24」でございます。

ワタクシこう見えて実はコネクタの圧着が好きなのでございます。
正直目に見えない熱の伝わりを気にして行うハンダ付けよりも工具を握る感触で仕上りを知る圧着作業の方が好きなのですよ。
まぁ私の好みは置いておいて、実際ナイロン系のコネクタを使用する場合はこの圧着作業が必須になるのですが、この『PA-24』はその中でも日圧(JST)のXHコネクタやPHコネクタなど、よく使うところのコネクタに対応しているので1本持っていると便利な工具でございます。

さて、日圧のXHやPHなどを圧着できるペンチとしては、以前から『PA-09』や『PA-21』などがございました。

02_精密圧着ペンチ3兄弟(実は他にもいる)


ではこの『PA-24』はそれらとどこが違うのか。

なんとこの『PA-24』では、初めて丸型ダイスが搭載され、いわゆる『QIコネクタ』もキレイに圧着できるようになったのです。
03_丸型ダイスが2種類も

QIコネクタのコンタクトピンは被覆を止める部分の形状が特殊になってまして、日圧のコンタクトピンのようにクルンと丸めて抑える形状にはなっておりません。
04_機械で圧着したQIコンタクト 05_M型ダイスで圧着された日圧のコンタクト
QIのコンタクトピンは配線の被覆に沿わせる形で丸く止めるようになってるんですね。

コレまでの圧着ペンチではM型のダイスしかなかったため、被覆に沿って丸く圧着することができませんでした。
が、この『PA-24』はそれができる丸型ダイスを搭載しているところが画期的なのでございます。

ちなみに汎用圧着ペンチの金字塔、ホーザンの『P-706』にも丸型ダイスが搭載されておりますが、ちょっと大きくてQIコネクタには不向きでした。
06_P-706との比較


と言う訳で『PA-24』は電子工作でよく使われるナイロンコネクタ類だけでなく、PCやマイコンボードの接続によく使われるQIコネクタをもカバーした、マルチに活躍できる圧着ペンチなのです。

さらにさらに。
ホビーユーザーには更に嬉しい機能も搭載されております。

それがこの、ボルトカッターでございます。
07_他とは違うのだよ!

電工ペンチなどにはよくついている機能なのですが、この『PA-24』では『M2』『M2.6』『M3』と比較的細いネジに対応しており、ミニ四駆等の模型でよく使うネジをカットすることができるのです。
08_メーカーページからの引用

最近流行りの小型のボードモジュールでは基板の端に開いているネジ用の穴がM2用だったりして、細いネジもよく使うようになってきました。
しかしM2ともなると持っているネジの長さにバリエーションがなく、長いネジをカットして使いたくなる場面というのが意外と多いのが実情でございます。
そんな時にこのボルトカッターがあればピッタリの長さにボルトをカットして基板を組み上げることができるのでございます。

ちなみにこのボルトカッター。
私も実際に使用するまで知らなかったんですが、カッター部の穴の中にタップが切ってあるんですね。
09_ネジを切りやすくする工夫
つまりカットするネジをクルクル回してカット位置を自在に固定することができるんです。
PA-24』本体の板厚が約3.5mmありますので、カットしたい長さから3.5mm引いた長さを工具表面に残すようにすれば、希望の位置でカットすることができる訳でございます。
10_ネジを取り付けて 11_長さを調節して 12_握れば簡単にカット可能

いやはや、ほんとに便利。
カットも綺麗にできているので、安い工具でカットした時のように切断箇所をヤスリで整える必要もございません。
カット後すぐにナットに通すことができます。
13_キレイにカットできてます

そう、このボルトカッターこそが、この『PA-24』をオンリーワンたらしめる要因であると言っても過言ではないでしょう。
ちなみにこのボルトカッター機能につきましては、弊社が誇る全国レベルのミニ四カーが絶賛しておりました。
PA-24』発売当初に熱く語られてドン引き感動したほどでございます。

と言う訳で。
新機能を搭載してコレまでにない高みに到達した精密圧着ペンチ『PA-24』。
M型ダイスもコレまでの製品に引けを取らず圧着感は良好。基本はしっかりと抑えつつ、これまで妥協で済ませていたQIコネクタにもしっかりと対応し、かつ模型好きにはこれだけでもありがたいボルトカッター機能を搭載しました。
これはもう、持ってて損はない圧着ペンチでございます。

そろそろ圧着ペンチ買い替えようかな、とか、そろそろ圧着ペンチ持っとこうかな、と言う人は是非選択肢に入れてくださいませ。
14_シリコンハウス店頭のデモ機を使用しました



みなさんも是非、使ってみてくださいね♪


(記事:伊東)
更新予定:毎週木曜日(次回は1月19日です!) 

記事担当:
カテゴリなし


明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。
さてさて、2023年、一発目のブログですよ!


昨年の振り返りをしていこうと思います。…記事の準備をしていなかったとか、そんなんじゃないんだからね!
昨年のブログは、私オカポンだけでなく、「共立プロダクツ」メンバーと「通販営業部」メンバーにもブログ記事を担当して書いてもらいました。

今までオカポンが書いてきた製作記事だけでなく、私では書けないレベルの高い記事だったり、面白い記事だったりと、色々紹介出来たと思います。
↓↓例えば、こんな記事がありました↓↓

★電波時計用の時刻送信機の話(2022年12月29日)
p18ntpwra
どうやって電波時計に時刻電波を送っているかってところをざっくり解説してくれました。

★人感センサ(焦電センサ)で「静止した人体」を検知する実験(2022年11月24日)

人感センサ
静止した熱源を検知したいとき、熱源が動かないなら受光側を動かせば(受光状態の変化)良いのでは?
ということで、実験してみた記事でした。

★メロディー次第で誕生日にも!(2022年11月10日)
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箱を開けたらメロディーが流れる「プレゼントBOX」の作り方を紹介してくれました。

★【初級者向け】XIAO RP2040で電子工作してみました!★1(2022年05月12日)
カプセルの穴をそのまま使います
「初級者向け」の電子工作&プログラミングの例を紹介してくれました。

★デカマルを買う。(2022年06月30日)

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スイッチ「デカマル」の紹介。初の漫画です!

★黒ひげもどきを作ろう!Part1(2022年06月02日)
33_改良ジャンプ
電子工作で「黒ひげ」に似たものを作ってみよう!という事でチャレンジ。でっきたっかな~?

★気分はL.A. ??(2022年07月21日)
OGU-220721-19
スピーカーを作る記事です。ビギナー向け♪

★長年の疑念を解消(2022年02月17日)
理科の実験でもおなじみエナメル線バッチリ点灯しました!
長年の疑念だった「ポリウレタン銅線は表面を削らずに使える」ということを、実際に試してみた記事でした。

★電工女子★LEDスティックでライティングボックス作ってみたよ★(2022年03月24日)
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写真撮影するときに便利な、ライティングボックスの作り方を紹介してくれました。


他にもオカポン以外のメンバーが書いた記事はたくさんあるので、ぜひ読み返してみてくださいね。
2023年も引き続き色んな人が記事を書いてくれる予定になってますのでお楽しみに。


このほか、2022年に紹介した電子工作キットにはこんなのもありました。
作るのは、チップLEDが入っているのでちょっと難しめですが、オカポンのあったらイイな!を詰め込んだキットなので、ぜひチェレンジしてみてください♪


そうそう、大阪の枚方(ひらかた)市にある「TAKE LABO (テイク・ラボ)」さんにおじゃましたのも、昨年の4月でしたね。
★電工女子★テイク・ラボさんへ行ってきました!★その1(2022年04月07日)
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★電工女子★テイク・ラボさんへ行ってきました!★その2(2022年04月14日)
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ここで作ったトートバック。大きな土鍋(27cm)がスッポリ入って、キャンプの時に重宝しました。


と言う訳で、今年も面白い記事がたくさん掲載できると思いますので、みなさま期待していてくださいませ!(^-^)
みなさんの拍手が、拍手が、拍手が!記事作成の意欲につながっております!有難うございます!
面白かった記事や楽しめた記事にはぜひとも拍手ボタンをクリックしてくださいね。

ではでは、オカポンも頑張るぞ~!


今年も頑張って、色々な記事を継続して挙げれるよう頑張っていきますので、皆様宜しくお願い致します!!


(記事:オカポン)
更新予定:毎週木曜日(次回は1月12日です!) 

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